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出版物・企画

2024年 版画進級制作展「グラフィックデザインにおける『版』を考える」プロジェクト

2025.10.9

デザインプロジェクト

2024年度版画進級制作展

「グラフィックデザインにおける『版』を考える」授業プロジェクト

ゲスト講師・デザイナー:西村祐一/Rimishuna

今日の版画はアートとデザインを横断しながら様々な展開をもって広がる表現として多様化しています。このプロジェクトでは、先鋭的なグラフィックデザイナーをゲスト講師として招いて、11月に開催される本学3年生と大学院生による進級制作展のDMデザインを依頼し、そのデザインワークを実例として授業活用しながら、グラフィックデザインにおける版、印刷の可能性について考える授業です。具体的には、クライアントの要望からコンセプトを構築しデザインワークへ展開するデザインの現場をしるとともに、版画、印刷メディアをアートからだけなく、デザインの視点でどのような可能性があるのかを考えていきます。2024年度のゲスト講師・デザイナーは京都で活動されている西村祐一さん/Rimishunaにご担当いただきました。

〈デザインコンセプトLogistics

ロジスティクス(輸送システム)は機械同士や人間と機械の相互作用を同一平面上におく「機械状のもの」の極めて身近な一例です。はがきは版画やポスターや写真その他の印刷物に比して、それ自体がそのまま輸送システムにのって配送されるという特徴をもっています。

輸送中に人間や機械によって残されたDM上の痕跡は、輸送システムや、地球上を移動する人間や機械の働きをほのめかす履歴となります。輸送を「版」という観点からいえば、同一のものを複製する原初の「版」ではなく、版が不在でありながら別物が複製される、あるいは一つとして同じものが存在しない「生成的な版」ということができます。DM(印刷物)はコピーであるが、表面にカーボン紙を貼り付けることで、郵送される間に様々な痕跡がつくことにより、受け取る時には1枚1枚オリジナルのDMが届く仕組みになっています。

 

グラフィックデザイナー 西村祐一/Rimishuna
 HP>https://www.rimishuna.com/
インスタ>https://www.instagram.com/rimishuna/